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2010.10.15 Friday

現代社会においての指揮者の役割についての一考察

 
リクエストが出たので…
ミクシィに書いた日記をここにも転載いたします m(_ _)m
(ちなみに…ご存知ない方のために、、、私のミクシィ名は「アホーヤ・バカナコフ」です(笑))



たまには硬派な事も書きたくなるアホーヤですむかっ(怒り)
世の中、何事もバランスが大事ですからね(超exclamation言い訳(笑))あっかんべー


ここ数ヶ月、仕事をしながら色々と考えていました。。。湯のみ

あちこち旅をしながらの、様々なシチュエーションでの指揮経験もさることながら…

「ボクは(私は)将来指揮者になりたいと考えています。どうすればなれるのでしょうか?」

「ボクは(私は)指揮者です。でも仕事がありません。どうかアシスタントとして雇っていただけませんか?」

という多国籍メールを大量ふらふらに受け取って冷や汗

「おおっexclamation ×2 世の中にはかくも「指揮者志望」が多いのか目

と実感させられたこともあり…あせあせ(飛び散る汗)

「指揮者」という職業について自分なりに熟考していた次第。もみじ


そして…

1ヶ月半チューリッヒ歌劇場で仕事をしているうちに、

アホーヤなりの

「世の中が必要としている指揮者像時計



「西欧での伝統的な指揮者のあり方砂時計

そして

「両者のあいだの微妙なズレー(長音記号1)

とでもいうべきものが、

ハッキリexclamation ×2と見えて来ました。電球


あくまでも、アホーヤの無い脳みそから出た意見で、しかも上手く説明できるかどうかわかりませんけど…とりあえず書きますねえんぴつ(笑)



指揮者に要求される素養・素質は、音楽性、人間性その他いろんな分野において、実に多岐にわたると思うのですが、、、あせあせ(飛び散る汗)



マルクス「資本論」本に始まり…


とうとうクラシック音楽界の中核にまで浸透しつつある「資本主義ドル袋システム」。

お金ドル袋を持っている人=ボス王冠 というシステムの現代社会において、指揮者に必要とされている役割は

とりあえずは…

「広告塔TV」であること。レンチ

つまりは、、、

人目を引く存在であることサーチ(調べる)だなぁ、と痛切に感じるわけですペンギン

例えば…

・極端に若いひよこ、大変美形ぴかぴか(新しい)である、などの話題性が豊かである
・人の関心を引くアイディアを沢山持っている電球
・スポンサーを見つけてくる力があるドル袋

などですねチューリップ

お金が集まってくれば、会社は大繁盛富士山
幹部も従業員も大喜び、というわけですうれしい顔

ようするに、、、

オーケストラも歌劇場も…

本質的に、一般企業と変わりなくなって来ている、と。考えてる顔




ところで…


「指揮者」という職が西欧でどうやって生まれたかというと…

もともとは、

宮廷音楽隊の「隊長」、だったわけですねペンギン

たいがい

コンサートマスターぴかぴか(新しい)



チェンバロで通奏低音を弾きながらの「弾き振り」るんるん

という形が定番で…

「誰かが指揮台の上で(現在の形の)指揮棒を振る」

という制度が出来上がったのは…

中期ロマン派に入ってからになります。。。考えてる顔

前期ロマン派までは、

モーツァルトやベートーヴェンのように、、、

作曲家が自作を指揮(あるいは弾き振り)する、というのが定番だったようですほっとした顔


公式に…

世界で最初に誕生した、固定のコンサートホールに付随する民間オーケストラは、

ゲヴァントハウス管弦楽団ビル

初代指揮者は…

作曲家でもあったフェリックス・メンデルスゾーンクローバー

ということになっています。。。

同時代に、ベルリオーズやリストも指揮者として活動を始めた。

ようするに、、、

作曲家が、自作以外の作品の指揮も手がけるようになった、と。


この後…

「作曲家が指揮も行う」

という伝統のほかに、

フランス圏では徐々に

「オーケストラのコンサートマスター、或いは首席チェロ奏者が、指揮もするようになる」

という伝統が、、、

ドイツ圏では

「歌劇場ピアニストが指揮者になる」

という伝統が培われるようになってきました。。。もみじ

この伝統は、我々の知っている歴代の巨匠…マーラー、シュトラウス、フルトフェングラー、トスカニーニ、クナッパーブッシュ、ベーム、カラヤン、ショルティ、ミュンシュ…などなどの存在においてもおわかりかと。電球

その後、、、

カラヤン&ベルリン・フィルハーモニー、或いは…
バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニーの時代になって

「メディアを意識したクラシック音楽の在り方」

のようなものが考慮されるようになり…

この辺りから、指揮者像というものが大きく変わってきました。雷

この頃から聴衆も、指揮者に対して「聴く耳」楽しみだけでなく、「見る目」楽しみも要求するようになったと思います。


現代社会では…

世界のたいがいのBクラス以上のオーケストラは、

誰もが知ってる交響曲のレパートリーは、

指揮者がいなくても通して演奏できる位のレベルに達していますあせあせ(飛び散る汗)

では、

オーケストラは指揮者に一体何を期待しているかというと、、、

Bクラスオケは

「とにかく事故なしで演奏可能ならそれでよい。おまけに、短時間のリハーサルで仕上げてくれる指揮者ならなお良いexclamation でもって、客が入れば文句なし指でOK

Aクラスオケは

「この指揮者がどんな今までになかった解釈を示してくれるか。どんな魅力的なサウンドを我々から引き出してくれるか。音楽の海千山千である我々にどんな新鮮な感動をもたらしてくれるか揺れるハート で、最終的に我々のオケにどういう宣伝効果をもたらしてくれるかドル袋

…まあ、大雑把に(あくまでも大雑把ですよたらーっ(汗))言えば、こういうことになるわけです。。。


こういうニーズに伴い…

いわゆる

「世界の指揮者のマーケティング・システム」

とでもいうべきものが現れました。冷や汗

指揮者本人の資質云々、というよりは…

その背後のエージェントが色々と工作している、と。。。

中枢を握っているのは、

アメリカ在住のユダヤ系の方だと、まことしやかに囁かれておりますが…(真偽のほどは不明ですたらーっ(汗))


アホーヤは

「いよいよクラシック音楽の世界も、芸術性とは別の所で色んな事が動き始める時代になってしまったのかなぁ〜…もうやだ〜(悲しい顔)

と、悲しい気持ちでいたのですが。。。。



チューリッヒ歌劇場で知り合ったコレペティ(歌劇場ピアニスト)のサラちゃん乙女座

先日彼女と色々話をした時に…

「私はチューリッヒ歌劇場に来る前は、ベルリン・コーミッシェ・オーパーで働いていました。今までに色んな指揮者と共に仕事をしたけれど、、、
自分の指揮するオペラの全パートをちゃんと歌える指揮者というのは、実はあまりいない。我々にとって、自分達よりもスコアを知っていない指揮者に「指揮される」事ほど苦痛な事はないのですむかっ(怒り)

「例えばネッロ・サンティは…自分の指揮するオペラのスコアを完全に暗譜していて、しかも全パートを歌えます。これが本来のオペラ指揮者の在り方だと思うのですexclamation ×2

「私の経験から言うと、世界的に名を知られている指揮者が、必ずしも真に実力のある指揮者とは限りません。それほど有名でなくとも、我々が心から信頼できる、力のある指揮者というのはいますぴかぴか(新しい)

これと全く同じ事を…

今回一緒に仕事した演出家も言っていたexclamation ×2


彼らの意見を聞いて、ホッとしたというか…

腑に落ちたアホーヤです電球指でOK


先日ダルバヴィ先生と話した時に、

「いやぁ〜…ボクはプロの指揮者ではないけれど、時々オーケストラの演奏会を指揮する機会があるのね。でも、有名なレパートリーとかだと、最初のキューだけ出せば、あとはオーケストラが勝手に演奏してくれるんだよ。。。

ところが今回生まれて初めてオペラを指揮してみたら…オペラというのは、その場になってみないと何が起こるかわからないし、演出とのタイミングや、歌手の呼吸や、色んな事を考えながら全部コントロールしなきゃいけない「本当の司令塔」なんだねぇがまん顔 アホーヤが言ってた「オペラが指揮できればたいがい何のレパートリーも指揮できる」というのを実感したよあせあせ

と、しみじみ語っていました湯のみ

まあ、敢えて例えて言うならば…

オーケストラを指揮するのと
オペラを指揮するのでは

オートマ車を運転するのと
マニュアル車を運転するのとの違い、のようなものがあるのかなぁ。。。車(RV)


まあ、、、

アホーヤ、個人的には

ドイツ圏でいまだに脈々と受け継がれている「歌劇場指揮者養成システム」を目の当たりにしたこと

と、

そういう養成期間を経てプロの指揮者になった人が、その芸術性と職人技を、同業者にも聴衆にも正当に評価されている場所がちゃんとある、

とわかったことで、

何だか安心しましたわーい(嬉しい顔)


今まで以上にふんどしの紐を硬くむかっ(怒り)締めて、真に力のある指揮者目指して、修行に磨きをかけたいと思いますパンチ


アホーヤのところに「指揮者になりたい」とメールを送ってくる若者達は、

一体指揮者のどういう側面を見て、そう欲しているのだろうかexclamation & questionあせあせ(飛び散る汗)

メールの文面を見ていて時々心配になりますたらーっ(汗)

まだまだ「ひよこ」のアホーヤがこう言うのもなんですが…

「自分には何としても表現しなければならないことがあるんだexclamation ×2。その表現にかなった規模の手段はオーケストラでしかあり得ないexclamation ×2

という、自己顕示欲や名誉欲を凌駕した、高い芸術性の持ち主の指揮者が今後現れて、クラシック音楽界を精神的に豊かにしてくれることを願ってやみませんクローバー

しかしながら…

こうやってインターネットを通じて、物理的に簡単には会えない、あるいは実際に会った事のない人達と簡単にコミュニケートできる、、、

そんな時代になったんですよね。。。湯のみ

アホーヤはどうしてこんなに「マニュアル派」なんだろう??あせあせ(飛び散る汗)(笑)


ま、いいやあせあせ


自戒も込めて…あせあせ(飛び散る汗)

たまにはマジな日記を書いてみましたあっかんべー

頑張ろうっとexclamation ×2
コメント
謹んで拝読致しました。
文中に登場しているサンティさん、今日はN響と演奏会形式の「アイーダ」でした。
アイーダ役は実の娘さんです。
そして、今、教育TVで今年の「サイトウキネン」の模様を放送しています。
小澤さんの代役で下野竜也氏が「ノベンバー ステップス」と「幻想交響曲」を
振っています。
マエストロの文中には沢山絵文字が出てきて楽しいのですが、楽譜上にもこんな絵文字が記載してあったら面白いでしょうね。楽しい所で笑顔の絵文字とか。
  • Gustav33rd
  • 2010.10.15 Friday 23:53
コメントありがとうございます!!
サンティさん、そういえば日本にいらしたんですよねぇ。
先日チューリッヒ歌劇場のエレベーターの中でバッタリお会いしましたよ(笑)。わりに大柄な、よく喋るマエストロですね!!
下野竜也さんにも一度だけお目にかかったことがあります。彼からは人柄が温かそうな印象を受けました。益々ご活躍いただきたいものです!
私の日記、絵文字だらけで読みづらくないですか???(汗)
まあ、最近の現代音楽の楽譜にも「絵文字」に限りなく近い記号なんかが沢山出てきますけれど…
お元気で秋の日々をお過ごしくださいね!!
  • アホーヤ
  • 2010.10.16 Saturday 18:25
ツイッターからたどりつきました。
一音楽ファンですが「指揮者の役割」すごくよくわかりました!

サンティさんはPMFで観ました。でっかかったですw
下野さんは、とある中学校のブラバンを指導しているところを見せていただいたことがあります。彼の一言で子どもたちの音がぐいっと変わっていったのが印象的でした。

それはともかく、ご活躍を期待します!!
  • rincororin09
  • 2010.12.17 Friday 23:41
本当に素晴らしい。マエストロの文章力に敬服いたします。
指揮をされても文章を書かれても超一流ですね。
ありがとうございました。
  • junjunjunja
  • 2012.02.04 Saturday 14:54
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